J-2X

J-2X
J-2X (イメージ図)
原開発国アメリカ合衆国
開発企業エアロジェット・ロケットダイン
目的上段エンジン
搭載スペース・ローンチ・システム
ブロックII (地球離脱ステージ)
前身J-2
現況開発中断
液体燃料エンジン
構成
ノズル比92:1
性能
推力 (vac.)1,307 kN (294,000 lbf)
推力重量比55.04
Isp (vac.)448秒 (4.39 km/s)
寸法
全長4.7メートル (15 ft)
直径3メートル (9.8 ft)
乾燥重量5,450ポンド (2,470 kg)
リファレンス
出典[1][2]

J-2Xアメリカエアロジェット・ロケットダイン (旧: プラット・アンド・ホイットニー・ロケットダイン) が開発した極低温液体燃料ロケットエンジンで、NASAコンステレーション計画において打ち上げ機として開発されたアレスロケットのエンジンに採用される予定だった。J-2Xは液水/液酸エンジンで、真空中推力 1,307 kN (294,000 lbf)、比推力 (Isp) 448秒 (4.39 km/s)を発揮する[2]。エンジン重量は約2,470 kg(5,450Lb)で、原型となったJ-2よりも重くなっている[2]

J-2Xは2007年にコンステレーション計画の一環で開発が始まった[2]アポロ計画で開発されたサターンロケットS-IIおよびS-IVBに搭載されたJ-2が原型であるが、アレスIの重量増により推力が不足することから新たに設計された。当初はアレスIおよびアレスV上段エンジンとして採用する予定だったが、コンステレーション計画が中止され、後継のスペース・ローンチ・システム (SLS) が立ち上がると、SLSブロックIIの地球離脱ステージへの採用が検討された。原型となるJ-2よりも高効率かつ簡素な構造とすること、スペースシャトル・メインエンジンより低コストとすることを目標とした[1]。有害なベリリウムの使用を止め、J-2の軸流ターボポンプに代えて遠心ターボポンプを採用したほか、燃焼室やノズルの膨張比を変更し、燃焼室構造もJ-2の管溶接構造から壁面チャネル構造に改められた。さらに電気系は完全に再設計され、ガス発生器と超音速主噴射器はRS-68を基にしたものに改められた[3]ほか、現代の接合技術が取り入れられた[2][4]

  1. ^ a b J-2X Engine”. Aerojet Rocketdyne. 2014年1月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e Mark Wade (2011年11月17日). “J-2X”. Encyclopedia Astronautica. 2011年12月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年2月26日閲覧。
  3. ^ The J-2X Upper Stage Engine: From Design to Hardware. Thomas Byrd, Deputy Manager, J-2X Upper Stage Engine Element Ares Projects Office Marshall Space Flight Center Huntsville, AL 35812”. 2017年7月7日閲覧。
  4. ^ William D Greene (2012年6月4日). “J-2X Extra: What's in a Name?”. NASA. 2012年6月11日閲覧。

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